贈られた力

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そこで桧谷さんはニッコリ微笑んで 「そうッス。ウチもここの……[溝ノ口組]のメンバーッス」 そこへ 「おい、桧谷!何やってんだ!!」 「は!はいッス!!今ここに邪魔者がいましたので排除しようかと」 「だったら早くしろ!!!」 「わ!分かったッス!!」 どうやら溝ノ口組の他のメンバーが来たみたいだ 「さっきの人は」 「分かってるとは思うッスけど溝ノ口のメンバーで二年の先輩ッスからウチの上司みたいなものッスね。さ、いくッスよ」 「いくってどこへ?」 「そんなの決まってるじゃないッスか。ウチのボスのとこッスよ」 「なぜここでわざわざボスに!?」 「あのッスね~。ウチらのボスっていうのは大層弱っちいヤツっていうのが見てるだけでイライラしてくるっていう人なんスよ~。そりゃあもう見てたらまず手が出るくらいに」 「それ苛めッ子のそれだよね?」 「まあ早い話がそうッスね」 「で?それで僕もボコにされろと」 「このまま見逃してるとウチの方がボコなのは目に見えてるッスからね」 「離せ~!!!!」 「それで離すとでも思うッスか?にしても見てても思ってたッスけど本当に細いッすね~。ウチより少し高いのにウチと体型変わらないって男としてこれはヤバイッスよ」 「離せ~~~~!!」 「ボス~」 「あん?どうした…………えっと」 「溝ノ口組の桧谷ッス」 「なあ?こんなのいたっけ?」 「ああ、ボスは知らないと思いますよ。コイツは組でも下っ端の下っ端ですから。指示は1年の奴らか2年の下の方に任せてます」 「てかこれさ、一番下っ端じゃね?」 「………………そッスね」 僕、一番下っ端に捕らえられたの!? 桧谷さんに捕まえられた僕から近いとこにショートの金髪ピアスで小麦色と白色の肌。明らかに化粧が濃いのが僕でもわかる。僕と背が変わらないくらいの女の子二人が、いかにもヤンキーやってますというオーラを放っている 桧谷さんがヤンキーっぽく見えないのもあるだろうけど、ボスの右腕のような二人は桧谷さんとは纏ってる空気が違いすぎる でもってその真ん中奥でさっきまで女の子を苛めてただろう女の子がこっちを見てる その子は髪を隣の子達より綺麗な金髪。それを腰まで伸ばし、肌もきめ細かい。 この人、なんでヤンキーのボスやってるんだろう?背も僕より高いしモデルやった方が絶対いいのに 「んで?そいつがアタイに何のようだ?」 「これがそこの廊下にいたから連れてきたッス」
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