贈られた力

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そう言いながら僕をボスに差し出した 「……………これも、ボコっていいか?」 「どうぞどうぞッス」 「んじゃ」 そう言ったが最後 ヒュッ! ドスッ!! 「ぐはっ!!」 何やら風切り音が一瞬聞こえたと思ったらお腹に鋭い衝撃がきた 後になってお腹を蹴られたんだと痛みで感じる ドカッ!! ズザー!! 2撃目の蹴りで教室の窓際まで飛ばされる ドンッ!! そこで何かにぶつかった 感覚で人だという事は分かった 誰なのか、まあ、苛められてる子なのは確実なのだけど、どんな人なのか確認しようとする前に次の攻撃が頭にきた ガンッ!! それ以降も何回蹴られたのか覚えがないくらい蹴られた 一撃一撃が凄い痛かった これを女の子が食らってたのかと思うとかわいそうでならなかった 僕はまだ一人の攻撃であるけど、後ろの女の子は複数で攻撃されてたかもしれない そう思うと余計にかわいそうに思えてきた そうとう痛かっただろう。怖かっただろうと 「ボス、あたしらはこっちのさっきの女。やってもいいですか?」 「ああ、いい。もうそっちは飽きた」 ピキッ! 僕の中で何かが切れた 飽きた? そんな言葉で苛めを散々女の子にしてたのか? だから僕は バッ!! 「あん?どういうつもりだ?テメエ」 なりふり構わず女の子の上に覆い被さって抱きついた 「もしかしてコイツ、この女の盾になろうとしてんじゃないですか?」 「うわあ、もう既にボコにしたっつうのに今さら守るとかダサッ!」 そこから一頻りヤンキーのメンバー全員して笑ったあと 「カッコ悪いにも程があるっつう……の!!」 ガンッ!! また蹴りを食らった そのボスの一撃を皮切りに皆して蹴り始めた うるさい。何とでもいえ 僕は確かに臆病だし、さっきまで中に入ろうともしなかった訳だけど でも………………ここで何もしない訳にはいかないだろ!!!! ここは僕なりに男を見せたいんだ!!! 今度の方が痛みも蹴られた数も大きかったが、不思議と恐怖感は小さくなっていた それからどれだけ経っただろう。分からない。とにかく覚えてるのは自分が何度も蹴られてるんだという痛覚と、女の子を離すもんかと自分でも信じられないくらいの力で手を掴んでいた時の触感だけだった 「ボス!止めるッス!!」 「あん?どうした下っ端。まさかコイツに情が移ったとかんなんじゃねえよな?」 桧谷さん? 「違うッスよ!例のあの人が来るんスよ!!」
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