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その学校はいやに不自然な土地にそびえたっていた。
東京都内、有名進学校である皇明学院。その実態はビル群に囲まれただだっ広い土地にまるで城の様な西洋風の校舎が並び、都内いるのが嘘のように緑が生い茂る……都内一、いや日本一美しいとも思える学校である。学校の内部も凝ったデザインとなっており本当に学校なのか疑ってしまう程だった。それもそのはず、教会デザインに携わったようなデザイナーなどを大勢呼んでこの学校をデザインさせたというのだ。
当然学費も他と比べものにならない高額さであり、必然的に入学出来る生徒が限られてきてしまう。その上トップレベルの学力を目指す校風のおかげで入学試験の難易度も比ではないのだ。
そして残念ながら皇明学院は共学ではない上に男子禁制である。その為男性職員はもちろん、生徒の父親ですら入校は禁止されている。
そんな有名校で過ごすお嬢様にも刺激は必要であり、彼女達もそれを欲していた。まあ、要するに部活動がなんにしろ多いのである。しかし、その部活動には一つ問題点があった。
そう、運動部の割合が妙に少ないのである。文化部なんかは本当によくわからないようなクラブなんかもあるというのに比べ、運動部は軟式テニスとサッカー、水泳のみ。それも、ソフトボールはバットが重いから駄目、硬式テニスはボールが当たったら痛いから駄目、卓球は目にボールが入ったら危ないから駄目、剣道は汗臭くなるから駄目!
そんな理不尽な理由で運動部の割合が少ないのはおかしい、と一部の生徒からは非難の声が上がっていた。
そんなある日、異例の事態が起こる…
そう、弓道部の設立である!!!
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