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「…うわぁ、昨日までここなんにもなかったのになぁ…!」
私は目の前に立っている弓道場を眺めて感嘆の声を漏らした。
私は本田真央(ほんだ まお)。この皇明学院に入学して2年になる。そう、ただいま華の中学2年生である。
1年前にいろいろな部活動を体験して回ったけど、なんか今一つぴんと来るものが無くて帰宅部に。私のお姉ちゃんはこの皇明学院のOGなんだけど帰宅部だったらしいし、まあいっか…なんて気持ちも少しはあったからここまで部活に加わらなかった、なんてこともある。
でも流石にそれじゃあクラスから浮いてる気がした。新しいクラスになってから部活友達でクラスメイトは固まってて──当然帰宅部の私に友達が出来るはずもなくて。同じ帰宅部仲間だった女の子はいつの間にか美術部に入部していて…流石に焦ったので何か部活に入ろうと思った。
──今更、しかもこんな5月の終わりなんて微妙な時期に体験入部をやってる部活は一つもなくて、みんなが真剣に部活動をやってる中に踏み込んでいく勇気はなくて……いつものようにすべて忘れて昼寝しようと定位置に向かったら目の前に大きな道場。
的などが揃えられているところを見ると弓道部だろうか?でも私の学校に弓道部があった覚えはない。
……もし、弓道部が出来るのなら私はそれに入部すればいい。そうしたら弓道部初期部員として私は存在出来る!
そうしたらもう帰宅部だなんて馬鹿にされないから……うん、よし。そうだ、入部しよう。弓道はお姉ちゃんがやってるからちょっとは分かるからな。そしたら私、人気出ちゃうかも!
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