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諸葛瞻と黄皓は帰り道をいつものように2人で帰った。
ただ、終始、両者は無言だった。
その沈黙を打ち破ったのは、諸葛瞻だった。
「黄皓殿。」
「いかがなされた。」
諸葛瞻は懐から金塊を取り出した。
「先程は申し訳なかった。
これからもよしなに。」
そして、金塊を黄皓の袖の下に差し込んだ。
黄皓は、一瞬、ニヤリとして、鼻の下がのびたが、すぐに真顔に戻って、
「何を。 私とあなたの仲でしょうが。
それに、あれは陛下への忠誠心からでしょう?」
諸葛瞻は頷いて、
「流石に私の知己だ。 ははは」
黄皓の両手を掴むと振り回した。
父親の孔明、母親の黄月英
(醜いとされているが、実際はペルシャ系の美女だった可能性が高い。)
のいいとこ取りの美貌を誇る諸葛瞻の握手は、宦官黄皓にはここちよさを感じさせたようだ。
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