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トウ艾は二万の軍で進撃した。
鐘会の予想通り、兵糧不足になるおそれがあったので、十里ごとに陣を敷き、二千ずつ兵を駐屯させた。
桟道を作り、道なき道を進んでいく。
「ぐぁあ!」
「ぎゃあああ!」
脱落者も相継いだ。
それでも、トウ艾は進んでいく。
自らの勝利を信じて。
そして、最後の難所・摩天嶺にさしかかる。
摩天嶺はかなり険しく、桟道を作り上げるのは不可能だった。
士気の落ちる一同をみて。
「虎穴にいらずんば虎児を得ず!
我々はここを乗り切り、諸君は富貴を共にするのだ!」
トウ艾は叫ぶと
「「お~!」」
兵士一同は縄で摩天嶺を登り始めた。
よし!
いける!
トウ艾は確信していた。
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