魏軍壊滅

2/8
前へ
/118ページ
次へ
まずは、トウ艾の軍勢を吸収する必要があった。 「トウ忠。 そなたが行け」 「ははっ!」 トウ忠は、魏軍の時に使用していた旗印を使い、三千の兵士と共に進軍した。 まずは第一陣。 トウ忠が近づくと。 「トウ忠様!」 大将が掛けよる。 「ああ、私だ。」 「蜀は滅びたのですね?」 予想通りの反応を示した。 「いや。 蜀に下った。」 「え?」 トウ忠は溜め息を漏らして語る。 「卿らは鐘会の正体を知らぬのか……。」 「?」 「鐘会は野心家。 そして、功名心が高い。 まさしく魏延のようにな。 摩天嶺で私は蜀軍に囲まれた。 敵も急行軍だったから、攻め立てれば突破出来たかもしれぬ。 しかし、彼らに教えられたのだ。 司馬家の配下では………、いかに大功を建てても。 結局は殺される。 そうでなくとも、鐘会に讒言されて終わりなのだ。」
/118ページ

最初のコメントを投稿しよう!

65人が本棚に入れています
本棚に追加