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郤正は目をつぶって何やら考えているようだ。
ひたすら、頷いている。
姜維は不審に思い、
「どうしたのだ? 郤正?」
と、始めて、重い口を開いた。
諸将は姜維の言葉にしんとする。
「いや、策はありますが、味方の犠牲が大きいのです。」
「どんな策だ?」
「うまくいけば、トウ艾を帰順させられます。
失敗すれば、私は亡国の罪を背負わねばなりませぬ。
そこで、口にするか、迷っていたのでございます。」
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