1901人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
(女性)SNS上でも、今回のプロポーズについては大反響を呼んでいます。特に女性達からは『羨ましい。』や『私もされたい。』と言った書き込みがされていました。
(男性)・・・。一般男性の代表として言わせて頂きますが、こんなプロポーズ無理ですから!どうか世の中の女性のみなさん、恋人に無理を言わないで下さいね。
(女性)そ、そんな本気にならなくても・・・。とにかく、お二人の今後が楽しみです。それでは次のニュースに移ります。
画面がイルカのキリちゃんの話に移った所で、健がテレビを切る。
俺は3人を順々に眺める。
そして、3人の中で一番あんぐりと口を開けている学生風の男性に視点を合わせた。
「どうです?分かりましたか?」
「つまり、姉さんの彼氏って・・・あの有名な高藤さんってこと?」
「ええ。」
肯定すると、冬悟と名乗った学生は更にぽかんと口を開く。
「ずっと男っ気ないと思ってたのに、まさかこんな大物と付き合ってるなんて・・・。」
「昨年から付き合ってたみたいだが?」
松尾さんが冬悟に話しかけると、冬悟が『まじか・・・。』と頭を抱える。
その顔は泣きそうな、だけど笑い出しそうな複雑な表情。
松尾さんはそんな冬悟の肩を叩くと、俺に視線を向ける。
「報道のことは分かったけど、それと俺たちが集められたことと、どんな関係があるんですかね?」
「ああ・・・それですが・・・。」
溜め息を吐きながら、俺は昼過ぎに卓から来た電話を思い出す。
最初のコメントを投稿しよう!