恋は砂糖菓子に似て

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卓さんの案内で機内に入ると、そこはホテルと見間違う程の豪華な空間が広がっていた。 広々とした機内には、ソファーやテーブル、大型テレビ等が備え付けられている。全体的に木目調になっているせいか、とても落ち着く空間になっている。 「こっちにおいで。」 卓さんに従って、最奥に設けられたドアをくぐる。 するとそこには、飛行機内にあるとは思っていなかった物が鎮座していた。 「うそっ・・・。」 思わず漏れた声に、卓さんがふわりと笑う。それから、そのとても立派なベットに視線を移した。 「疲れたらいつでも寝ていいよ。」 「は、はい。」 大きなベットは見るからにふかふかそうで。大人二人が余裕で寝れそうな広さ。 唖然としてベットを凝視していると、卓さんが隅にあるもう一つの扉を指さす。 「この扉はシャワールームだからね。」 「はあ・・・。」 なんて贅沢な造りなんだろう。 一体どれだけのお値段がするのか・・・。考えている内にクラクラしてきてしまった。 「大丈夫?」 「ん。平気・・・。」 「良かった。」 卓さんの腕が、腰に回る。 やんわりと抱きしめられると、卓さんのシャツの香りがふわりと鼻先を掠めた。 「いい香り。」 「美夏の方がいい香りだと思うよ。」 首の付け根に、卓さんが顔を埋める。 すると、すぐにチリッとした微かな痛みを感じた。 「す、卓さん!」 「大丈夫。見えないよ。」 悪戯っぽく笑う卓さんの胸を押し返すと、今度は卓さんの手が頬に添えられる。 最初は触れるだけのキス。 だけど二度目は、息ができない程の深いキス。 扉の外で、客室乗務員の人達が働く音がする。 『こんな所でダメなのに・・・。』 柔らかな舌の感触に、だんだんと思考が鈍くなっていく。 苦しくて顔を背けるけど、卓さんは許してくれない。 それどころか、卓さんの手が服の隙間から侵入してくるのを感じる。 素肌を撫で上げられて、体がびくっと震えた。 私の反応を楽しむかの様に、卓さんの手が動き続ける。次第に私の体が熱くなっていっていることに、卓さんが気が付いてない訳がなく・・・。 ゆっくりと動かされていた手が、私の体の中心を掠めた。 「・・・っ。」 漏れそうになる声を必死に堪えると、卓さんの唇がやっと離れた。
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