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電話が鳴る
相手が誰かも確認せず電話にでた
「もしもーし麗?どこにいるー?」
「…拓海。切るぞ」
「えー切らないでよー」
二重の声が聞こえる
振り返ると拓海がドアまで来ていた
「やーっぱここにいた」
拓海は真っ直ぐ俺に向かってくる
さっきのあいつと会っているはずなのに聞いてこない
拓海だと気付くと前に向きなおした
「拓海。俺って神崎の何なんだろ」
「それは俺が計算しても答えが出ない問題だよなー。でも麗は変わった。今は自分の信じる道を進めばいいじゃん?」
拓海の言葉に救われる
あの頃から変わることができたのか
今の自分には何の実感もわかないけど、あの頃を知っている拓海が言うのだから何かが変化したのだろう
このまま神崎と一緒にいたら自分にも分かるほど違いが分かるのかもしれない
けれども夏休み明けには引っ掛かりを持ったままなのは変わりなかった
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