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数分後、まだ昼も過ぎないうちに、オレ達は生徒会室にいた。
「なあ、舞花。いま腹減って死にそうだから、先に買い物行って飯食っていいか?」
神野舞花【かみのまいか】、オレとこうやの前にいる小さい生徒会長さまのことである。怒らせると怖い。というか焼かれる。
「あら、何も食べてなかったの? それならちょうどよかったわ」
「なにさせんだよ、これから断食か?」
「え、する?」
「いや、止めろよ!?」
「冗談よ」
これまでの仕打ちの数々を思い出すと、冗談に聞こえないオレ達がいるのだが。
どういう反応をしているのか気になり、チラッと横のこうやを見ると、案の定少し震えていた。
「冗談は置いといて、今桜が満開のいい季節でしょ?」
「まあ、確かに」
「で、なにすると思う?」
「死体を埋めるとか?」
オレとこうやは、震える声を揃えてこう言った。
「あなたたち、私にどんな印象抱いてんのよ!」
赤い顔をしてそう言われたので、そろそろボケるのも止めようかと思い始めた。しかしこんなに赤い舞花は滅多に見れないので、調子に乗ることにした。
「えーと、独裁政治をする女王」
「ああ。あとちっこいとか、絶壁とかだぜ」
「ちょ、おまっ!?」
「へえ……」
調子に乗ろうと思った時期がオレにもありました。
カチッという音を鳴らして地雷を踏んだのはこうやだが、あまりの迫力にオレまでもが口をつぐんだ。
そして深く深く――反省と後悔をした。
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