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「で、花見をしようってわけだろ?」
「ええ、そうよ」
受けたダメージから回復した舞花。そして何事もなかったかのように続く。
まだ多少の落ち込みは見えるが、大丈夫だろう。なんでダメージを受けたかは、オレには一生分からない気がする。
「飯代とかどうするんだ?」
「もちろん、私がすべて出すわ」
「マジで!?」
「マジよ」
「ひゃっほう!」
「そのかわり」
「え?」
オレとこうやの声がハモる。そして何か嫌な予感がする。
こうやを見ると、あいつもこっちを見ていたようで、目が合った。そこでアイコンタクトを試みる。
(こうや、なにやらさせられると思う?)
(多分、荷物持ちとか)
(その辺りか)
その程度なら問題ないか……よし、嫌々な振りして頑張るか。
だいたい三秒ぐらいのやり取りで、オレ心を決めた。そして一応訊いてみることにした。
「なにやらされるんだ?」
「買い出しに荷物持ちに準備に――」
「思ったより重労働だった!?」
オレ達の想像を遥か上だった。ほぼ全部の作業をやらせるつもりだ!
「それはないだ――」
「出資者は誰よ?」
「――異論ないです」
こうしてオレ達の作業が決定した。
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