渇いた

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「ありがとうございました」 客に頭を下げる。 「ん」 青いTシャツの清水に麦茶を差し出す。 「ありがとうございます」 おいしそうに一気飲み。 動く喉元をじっと見つめているのに気づき、目をそらした。 そのまま時計を見ると、5時と少し。 「清水、時間」 バイトは終わり。 「あっ、そうですね」 清水はエプロンをほどき、荷物をまとめた。 「ありがとうございました。さようなら」 ぺこりと頭を下げると、店から出ていった。 店を閉めるまでの残り時間。 清水がいないこの時間。 つらい2時間。 振り切れない思いのまま、今日も夕日が沈む。
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