第1章

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音楽。(ガラのイメージ) 男性(N) 夜猫ホテルのもう一ぴきの客はカラス猫のガラ。 ガラ あたしはこれまでにつらい目なんかにあったことは一度もないわ。 男性(N) と言ってひかえ目なガラは、見開いたつぶらなひとみに水色のなみだをいっぱいあふれさせているのでした。 音楽変わる。(フーガのイメージ) 男性(N) 三びきめはフーガというブチ猫でした。その、(語り手、自然に切り替わる) ヴー(N) 若く見えるつやつやした猫は「わたし」をちらっと見るなり、 フーガ ブスね。 ヴー(N) ひとこというと、ランプのまわりをとび交う蜉蝣(かげろう)を目にもとまらぬ早わざでたたきおとし、 フーガ でも、短い夜のあいだくらいは、仲良くしましょ。 ヴー(N) シッポで、テーブルから蜉蝣をはらい落としました。 音楽F.O.
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