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なんてことはない風に鬼川は言う。
「大体、電線を武器として使う奴なら、そいつがどんな妖怪かも想像出来る」
「なるほど、腐っても陰陽師と言う訳ですね」
「いや……別に腐ってねえし」
「ヒットマンの陰陽師なんて腐れ外道ですよ」
「うるせえ、同業者が」
ぶっきらぼうに鬼川が言う。
「って言うか、そろそろ姿現せや。非常識だろうが」
「妖怪に常識を説きますか?」
「俺の前では人間妖怪皆平等だ」
「じゃあ、陰陽師を辞めてもらえませんか?」
過去に鬼川束と桃源無果実の間でこんな話があった。
「やっぱり、変ですよ!」
そう言って、ドンッとテーブルを思いっきり叩きながら桃源無果実は鬼川束に詰め寄った。
「変……って、何が?」
「何でわざわざヒットマンなんて職に身を置いているんです!? ただでさえ、陰陽師と言う仕事で危険な日々だと言うのに!」
「それについては言ったはずだぞ、お前は何も気にしなくて良いと」
「私は心配しているんですよ!」
桃源が声を荒げた。
「おかしいですよ! 大体、人も殺せないのに、ヒットマンなんて……!」
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