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「どうでしょう? もしこの提案に乗っていただけるのであれば、あなたの命を狙うのは止めましょう」
表情は分からないが、ニタニタしながら言っているのが、脳裏に浮かんだ。
ーー自分はいつでもお前を殺せるんだぞ、と想像の中で、そいつは言う。
「その話はよ、信頼して良いのか?」
「……信頼? 良いでしょう、お約束しますよ」
「だったら、いい加減姿現せ。それがなくちゃ、信頼もクソもあるか」
「……分かりました」
やや考えてから、声の主は颯爽と姿を現した。
緑やピンクと言ったカラフルな上、
ウェーブの掛かった髪、その髪の上からシルクハットを被っている。マジシャンを想像させる衣装、セクシーさの演出か、足にはガーターベルトを身に付けていた。外見から年齢は20代前半のように見える。
カラクリ メイズ
「空繰 迷事と申します☆」
「すっかり人間の姿に溶け込んでんじゃねえか。妖怪がよ」
「姿を現せと言っておいて酷い言われようですね。それで、信頼はしていただけましたか?」
「あー……それ、な」
面倒臭そうに頭をバリバリと掻きながら、鬼川は決断する。
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