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(まるで、マジシャンと言うよりも、ピエロだな……)
暢気にそんなことを考えていた鬼川は、慌てることなく、空中に向かって、連続射撃する。仕組みはともかく、体の一部のように使いこなす鬼川の銃弾は、彼にとって思い描く理想のタイミングで宙に放たれた。
「当たりませんよぉ♪」
歌うように、空繰の体は連続で発射される弾丸をいとも容易くかわしてみせる。
ギャリリリリィィィン!!!!
電動ノコギリのように甲高い音が響き渡る。
見ると、空繰が細い糸に分解した電線に強力な電気を流していた。勿論、普通の人間には手の平から電気を流すことは出来ない。
「お前の正体は、雷獣だと推測するが、どうだ?」
空繰はニヤリと笑って、電気の流れる極細の糸を振り回す。空気中の塵を燃やして火花が発生している。
この攻撃は鬼川の推測を肯定しているようだった。
「私はアサシンをやっていまして……それもあって、こういう獲物には慣れているんです」
「リーチがあれば、銃と対等に殺り合えると思っていたら、足下掬われるぜ?」
言うが早いか、鬼川は銃口を向ける。
そして、神経にリンクしている引き金を引く。
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