タイムリミットはオムライス

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 別に今イカについて詳しく知りたいと言う訳ではないのだから。むしろ、当分イカは見たくない気分だ。  「冷静になって考えてみようか……何でイカ?」  「そこにイカがあったから」  「そこに山があったからみたいに言うな。じゃあ、何で半透明なイカを使って、こんな鮮やかなエメラルドグリーンの物体に変わるんだよ」  錬金術でも使ったのか、お前はーー鬼川がやや呆れて言う。  「実は私……錬金術師だったんです」  「乗っかるな。冗談だよ」  「では、食べてくれないんですか? 折角、私が創意工夫と汗と涙を込めて作ったと言うのに」  「……案外、お前の汗と涙で変色したのかもな……」  何せ鬼の汗と涙だ。何が起こるか分からない。創意工夫はともかくとして、だ。  「食べて……くれないんですか?」  桃源が目を潤ませて言う。まるで雨の日に見つけた捨てられた子犬のようだ。  「……食うよ、食えば良いんだろ」  ほぼ投げ遣りになりながら、スプーンでエメラルドグリーンのオムライス(?)を掬う。  ザクッグジャップニャウーー!!  「……何か、聞いたことのないような効果音が聞こえてくるんだけど」
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