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自分をこの世界に連れてきてくれた師匠のような人なのに……!
「やたー! また私の美少女コレクションが増えたー!」
(……残念な人だな……)
心の底からそう思う鬼川だった。
その後、桃源無果実の写真によって買収(もとい、同居を許可)された鬼川は、そのまま自宅アパートに帰宅しようとしていた。と言うか、本当にそれだけだったらしい。
(あれじゃあ、婚期が遅れるのも仕方ねぇな)
顔立ちも若々しい少女で、間違いなく美人に分類されるはずなのに、本当に残念な美女だ、と鬼川は道中何度も思っていた。
持っていたスマートフォンの電源を入れる。画面の時計は、午後1時になっていた。家を出て1時間経っている。
(まだあのオムライスあるかな……?)
そんなことを考えながら、鬼川はスマートフォンでメールを打っている。が、メールを最後まで打つことは出来なかった。
「……っ!?」
手にしていたスマートフォンが真っ二つに分裂した。
「……くっ!」
すぐに近くの電柱に身を隠す。
(一体、どこから……)
目玉を動かして、最低限の動作で敵の位置を探す。
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