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そして、女は16になった。
女の親は、当然ながらメディを認めなかった。
メディの悪行は、当たり前のように知れ渡っていて、誠実な姿を見ても、その心は変わらなかった。
まあ、僕でさえ窃盗や強盗で毎度毎度塀の向こうへ行っていた無職の男が、少し改心したからといって可愛い我が娘をくださいなんて言ってきたら、問答無用で殴り飛ばすに違いないだろう。
18になれば親の許可なんかなく結婚できる、18の誕生日が来ればその日に籍を入れよう、とメディが言っても、女は待たなかった。
メディはよく、この国の法律を恨んでいた。
「……結婚おめでとう、メディ」
「おめでとう。
幸せになれよ」
「ああ、……ありがとう」
僕とジャックは彼に祝福の言葉を贈った。
「二年なんてあっという間だった。
あっという間だったのになあ……」
メディは煙草を吸いながら、何度かそれをうわ言のように繰り返していた。
今日は、彼と結ばれなかったことに悲観して自殺した彼女が、18歳を迎えたはずの誕生日だった。
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