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次の日、結惟は昨日と同じく男装姿で、今度は校門の所に立っていた。 統惟と似ているだけあるというのもあるが、所作が男性らしく振る舞っている為、ただのイケメンにしか見えない。 徐々に女子生徒が集まるも灰莉の姿はなく、通り過ぎていく中にもいない。 フと視線を屋上にズラした際、動きがおかしい2つの影が見えた。 結惟の位置からだと影があって、それが動いているしかわからないが、動きが片方が動けば、もい片方も同じ方向に動く。追い詰められているようだった。 嫌な予感がした結惟は、校内に入り、途中道を聞きながら屋上まで駆け上がる。 バンッと勢い良くドアを開けるとそこには灰莉がデブでハゲた男性教師に追い詰められていた。 「莉桜!」 咄嗟にそう叫んだ結惟は男性教師のシャツの首を引っ張り後ろに倒す。 そして灰莉を抱き締め、男性教師を睨む。 灰莉は怖かったのか震えている。 そこに眼鏡の女性教師が現れると震えた灰莉と倒れて頑張って起き上がろうとしている男性教師を見て事を悟った。 「ごとう先生。教師である誇りはないんですか。生徒に手を出すなんて!しかも無理矢理に。こっちに来なさい」 鬼の形相と化した女性教師は震え始めた男性教師を引きずり出て行く。 その際に灰莉のことを結惟に頼む。
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