2人が本棚に入れています
本棚に追加
男性は、この屋敷にずっと仕えている執事で伊丹'いたみ'。
灰莉は、次の部屋に到着すると部屋のドアをノックして中に入る。
「お嬢様。遅刻されますよ。もう少しで7時半になります」
「バカイリ!なんで起こさないのよ!」
「遅刻したらアンタのせいよ」
バッと慌てて二段ベッドから少女が2人起き、同時に枕を灰莉に投げつけた。
慌てることなく灰莉は枕をキャッチすると溜め息をつく。
悔しそうに灰莉を見る少女達の顔はそっくり。
「双子ちゃん達。起きた?一緒にご飯食べよ?」
「「りくと様!ぜひ!」」
後ろから男性の声がしたかと思えば、少女達は嬉しそうに慌ただしく準備に向かう。
「よ、灰莉。後で相手してくれよ」
振り向くと明るい茶髪のイケメンが、ニヤニヤしながら灰莉を見ている。
この男は、陸斗'りくと'。この家の奥方が連れ込んだホスト。
そして先程慌てて出て行った双子は、茶の髪にモデル体系で人の目を引くような見た目であり、城崎家の娘、未央'みお'と麻央'まお'。高校3年生。
陸斗に適当な返事を返すと灰莉は部屋に戻り、学校へ行く準備をする。
双子には7時半と告げた灰莉だが、本来はまだ7時前と余裕があるのだ。
そして本来、お客様である陸斗に対してする態度ではないが、奥方と双子がいない時だけは、そんな態度で適当に接していた。
最初のコメントを投稿しよう!