6人が本棚に入れています
本棚に追加
柚がまばたきをする間に熊みたいなやつは地面に倒れ泡を吹いていた。
「はっ、しまった…
柚くんの身に危険があるとムキになっちゃう私の悪い癖が」
「最初から発動してくれたら僕疲れなくて済んだんですがね…」
「ごっめーん☆
はいこれあげるよ。
私刀ね」
「僕も刀がいいです」
ヤダ!と舌を突き出すと柚は渋々鞭を受け取ってくれた。
暫くすると熊みたいなやつの体は透けていき、かわりに『G』と書かれた金色のメダルを落としていた。
「先輩、本が」
「なんか光ってる…」
魔法のページには何も追加はされていない。
最初に戻って『迷い込んだ二人』の次を捲ると『G』 についての説明が追加されていた。
『G』はこの世界のお金でギルと読むらしい。
魔物ーーあの熊みたいなやつは魔物らしいーーを倒すと得られてアイテムを買うには必要不可欠なものなので奪われないように、とまぁそんなことが書かれていた。
「…帰れないのかな」
「きっと帰れますよ、それまで楽しみましょうって」
「主人公ェ…
動きたくないんだけど…
戦闘不能なら回復出来るかもしれないけど大ダメージくらったら死ぬよね?
死んだらおしまいなんじゃないの?戻れるの?」
「死んで戻れるならどうします?」
「喜んで死ぬよ」
最初のコメントを投稿しよう!