見えていても ちがうもの

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「運転手さん。 病院へは 何分くらいに着くかねぇ?」 北見のバス停から いつも利用してくれる おばあちゃんだ。 時刻表が変わり 今までより早くなったが 今日もこのバスを選んでくれたようだ。 「そうだね、今までなら30分過ぎに着いてたけど、今日からは20分くらいには着くかもしれないなぁ。」 「そぅかい。早いぶんには困らねぇから良いわ」 今日も安全運転でね、蒼屋さん。 そう言い残すと おばあちゃんは いつもの席へ座った。 もう ずいぶんな顔見知りだ。 まれに おばあちゃんが乗って来ないと 何かあったんじゃないだろうか?と ハラハラしてしまう程の間柄に いつの間になっている。
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