見えていても ちがうもの

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営業所に戻り 日報を書きつつ 軽めの食事を取っていると ガハハっの笑い声と共に 朱石 カズラがやって来た。 「そうちゃん!隣り座るよっ!」 長テーブルの上に バサッと日報を投げ コンビニの袋ごと ドサッと弁当を置いた。 そのままの勢いで ドシンっと パイプ椅子に腰掛けたもんだから おぉっと、と。なんて 危うく引っくり返るところだった。 「あかいし はさ、もう少し動作を丁寧にできないもんかね?」 ギリギリのところで バランスを保ち ひっくり返らずに済んだことに 喜んでいた朱石に 私は そう問いかけてみた。
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