見えていても ちがうもの

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「なんだい、なんだい。 そうちゃんが いつも大人しすぎるんじゃないかい? たまには オレみたいに ガハハっと笑ってごらんよ!」 それ、それ、ガハハ! なんて 変に調子をつけて 歌うもんだから ちょうど口に含んだお茶を 盛大に 吹き出してしまった。 同じ様に過ごしていた同僚たちが それを見て 大笑いした挙句 吹くは むせるわの大惨事。 おいー。カズラのおかげで 散々だな! と 口々に言いはするけど なんだかんだで カズラを小突いたりで いい雰囲気だ。 もう 結構なイイ大人の集まりなのに 朱石 カズラがいるだけで こんなにも変わるもんかと 私はいつも不思議だった。
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