見えていても ちがうもの

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そういう ことじゃないんだ! と さすがの朱石も慌てた様子で 言葉を続けた。 「オレのバスの方が 大廻りする分、時間遅くなっただろ。 菜々色駅に向かう道を あの子も自転車で走ってたってだけだ。」 てっきり 駅から折り返す そうちゃんのバスから気付いたと 思ったんだけどなぁ。 朱石は それだけ言うと 仮眠室へ入って行った。 長距離や深夜バスでなくても 仮眠室が利用できるのは 有難いことだと わたしは思う。
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