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「何か好きになるきっかけがあったんですか? それとも徐々に好きになったんでしょうか?」
「多分、どちらもです。毎日彼のことを想う時間が増えていったし……。でも一番大きなきっかけは……」
そこで泰子の言葉は止まった。
視線を落として言いにくそうにしている。
そして少し沈黙のあと、彼女は顔を上げて言う。
「あの、私の気持ちじゃなくて、彼の気持ちで悩んでるです! 1時間を過ぎたらお金だって掛かっちゃいますよね? 私の気持ちばかり聞かれても、話が進まないというか……」
「泰子さん。今日はお金のことは気にしないで。延長になっても追加料金を頂くつもりはないから」
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