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「彼は……『おっと、友達からのメールだ!』なんて叫んで、私との会話を中断して嬉しそうに打ってました。その後は私と居ても心ここにあらず、といった感じで……。奮発して焼肉をご馳走したんですけど、ろくにお礼も言わず食事が終わったらバイバイされました」
泰子の言葉にヨシエが口を挟む。
「じゃあ、その日は食事だけ? 部屋に誘われて……という流れは無し?」
「……はい。お恥ずかしい話ですが、正直それもショックでした。最後にもう一度だけ、って思ってたから……」
泰子の女性としての本音を知り、私たちは一瞬言葉を失う。
気の毒で切なくて――。
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