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桃花は彼に手を振って、カフェを出て行った。
彼は桃花の後ろ姿が完全に消えるまで見つめ続けていた。
「予定通り連絡先を交換したみたいね。桃花ちゃん、凄い演技派!」
「10代の頃、劇団に通ってた時期もあるから」
「なんかもう、この後の展開は解り切ったようなものだわ」
この後の計画は――。
今日中に桃花は彼に誘いのメールを送る。
『お茶かランチをご馳走したいけど、いつなら良いか?』
……と、日時を尋ねるメール。
メールで誘うのは、あとで泰子に見せる証拠を残すためだ。
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