29人が本棚に入れています
本棚に追加
「務理様、どうしたんですか? なぜ私に謝るんですか?」
私は驚いて声をかけ、結子と百合絵も彼の急な謝罪にポカンとしている。
私たちが見守る中、彼は悲劇の主人公を気取る風情で語り始めた。
「僕は冴子さんが好きでした。報われなくても最後の恋だと信じてました。でも……冴子さんには失礼なんですが、どうやら勘違いだったようです」
すぐには誰も言葉を返せなかった。
自分に酔ってる彼の大袈裟な雰囲気に圧倒されて。
だがよく見てみると、結子や百合絵は必死に笑いをこらえている。
最初のコメントを投稿しよう!