二人目

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胸元に携帯電話をしまい ゆっくりと、顔を上げる。 おぼろげだった 既視感は 現実に いま目の前に 形を作り 私に向かって、微笑んだ。 「わざわざ済まないね。 小泉…… 奈々緒くん?」 芸術品のような 美しく整った アーモンドアイが 獲物を捉えたように 深いところで 光った気がした。 心臓が 動きを止めて 全身の血液が 凍りついた。
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