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すがるような気持ちで
香坂さんを
見たけれど。
彼女はゼネラルマネージャーを
真っ直ぐに
見つめていて
私と目が合うことはなかった。
「……上遠野さん。
彼女の休憩時間は
あと15分ほどです」
「そうか。
では加茂川くんに
少し遅くなることを
君から連絡しておいてくれ」
逃げ道を塞がれた。
そう思った。
香坂さん
引き下がらないで。
食い下がって。
必死に心の中で願い
彼女に念を送る。
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