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君は俺に何も
告げることなく
俺の前から消えた。
そのセリフの中
彼の瞳が
仄暗いものに
変わったのがわかった。
「でも、捕まえた。
次はない。
諦めなさい」
奈々緒。
昔のように
甘く優しく呼ばれ
ぞくりとした瞬間
再び彼の
手が伸びてくる。
それを避けようとして
失敗する。
後ろにはもう
窓しかなかった。
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