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それでも、孤独感は、全然消えなくて、私は、泣き出してしまった。
優輝の事が、大好きだったんだって、身に染みて、感じた。
大好きだけど…もう…一緒にいられないんだって思うと、涙が止まらなかった。
これから…宏輝との生活が始まるのに、こんな気持ちじゃあ、宏輝に申し訳ないよ…。
「来月頭か今月末か…。
私…どうしたらいいのか分かんないよ…。
いろんな事が、短期間にあり過ぎて、訳が分かんないよ…。」
私は、そう呟きながら、泣きじゃくった。
どれくらい泣いていたのか分かんないけど、いつの間にか寝てしまっていて、目が覚めると、もうお昼近くだった。
携帯を見たら、宏輝から、メールが来ていた。
『紗希、泣いてへんか?
大丈夫か?
あんな…さっき、上司に確認したんやけどな…部屋探しやら、引っ越しやら、大変やろうし、月末より、早く、そっちに行ってもええ!って言われたわ。』
私は、宏輝のメールを見て、すぐに、返事を送る事にした。
「そうなんだ。
もしかして…私の朝の電話で話した事あったから、上司に確認してくれたの?」
そう返事を送ってから、私は、台所に言って、お水を飲んだ。
水を飲んで、リビングに戻ってきた瞬間、携帯が鳴った。
宏輝からの電話だった。
「もしもし…。」
『紗希…大丈夫か?』
「うん。
大丈夫…。」
『ほうか。
紗希の話聞いた事もあるんやけど…4月から、異動やのに、ギリギリに引っ越しも大変やから、ちょっと早めれんか聞いてみたんや。
そしたら、部屋探しも、引っ越しもあるやろから、早くなってもええ!ってことになってん。』
「部屋探しは、一緒に住むから大丈夫だけど、確かに…ギリギリに引っ越しは、大変だよね。」
『ほやねん…。
引っ越しする準備も、 部屋引き払う準備も、せなあかんしな…。
まだ、美咲の荷物もあるし…どうしたらええんか分からんけど…メールして、早めに取りに来てもらわな…部屋も引き払えんしな…。』
「そうだよね。
さっき、風邪引いてるかもって言ってたし、無理しないでね…。」
『 おう。
紗希、おおきに…。
まぁ、けど、俺も、早う、紗希に会いたいし、頑張るわ!
ホンマは、今すぐ行ってやりたいけど…上司とも相談して、引き継ぎもせなあかんしな…。
また、いつか決まったら、連絡するわ。』
「そうだね。
今すぐ会いたいけど…無理だもんね。
また、決まったら、教えて!!」
『おう、ほな、仕事戻るわ。』
「うん。
わざわざ電話くれて、ありがとう。」
『電話したんは、俺が、紗希の声を、聞きたかったからやし、大丈夫や。
ほな、またな。』
「うん。またね。」
私が、そう言うと、宏輝は、電話を切った。
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