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私は、泣きながら、宏輝を抱き締めた。
「…ごめん…って言ったのは…急に、ママ達が…別々に暮らす事になって、新しい人と…やり直す事になっちゃった事を…謝ったの…。」
「最近…ママとパパが、元気なかったのは、こういう事だったんだね。
僕は大丈夫だよ!!
パパに会えなくなっちゃうのは、嫌だけど…僕と同じ名前の新しいパパが来るんだよね?」
宏輝の大人びた言葉に、ドキッとしながらも、私は、宏輝を抱き締めたまま、宏輝の頭を撫でた。
「…ありがとう、宏輝…。
新しいパパが来るまで…ママの事…いろいろ助けてね…。
でも、学校の友達や近所の人に会っても、このことは話しちゃダメだからね。」
「…ダメなの?分かった…。
ママ…僕は、怒ってないし、もう泣かないで…。」
宏輝は、そう言って、小さな手で、私の背中を、ポンポンと叩いてくれた。
そんな宏輝の言動に、“いい子に育ってくれたんだな…。”って感動して、嬉しくて、さらに泣き出してしまった。
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