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だけど……返ってきた応えは、やっぱり、予想していた通りだった。
「……俺も去年、結婚したわ……。」
君は、恥ずかしそうに、言った。
「……去年って……まだ、新婚じゃん!!」
私が、そう言うと、君は、さらに、恥ずかしそうに笑った。
“聞きたくなかったなぁ……。”なんて思いながら、じっと、君を見つめてた。
「……なぁ。
こうして会えたんも、なんかの縁やし、番号とアドレス……教えて。」
「あっ……うん。」
君に言われて、何も考えずに、番号とアドレスを交換したんだ。
君は、私が、携帯に登録した名前を見て、首を傾げた。
「さっきも思ったんやけど……何で、苗字で呼ぶんや?」
君は、真顔で、そう聞いてきた。
「……だって……結婚してるから……名前で呼ぶのは、どうなのかな?って、思ったから……。」
私が、そう言って俯くと、君は、クスクス笑った。
「そんなん、別に気にせんでもええやん。
前みたいに、“宏輝”でええよ。」
君は、そう言って、微笑んだ。
その笑顔に、ドキッ……としながらも、それを気づかれないように必死だった。
その後、10分くらい話してたら、雨が止んだし、私は、君と別れて、美輝を迎えに行ったんだ。
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