明日、となりにいるのは。

　「俺、トリマーになりたいんで専門学校行ってるんです。トリマーってわかります？」

　「あの、わんちゃんをお風呂に入れたり、毛を切ったりする犬の美容師さんみたいな？」

　私の大ざっぱな知識には、まあそんなところっすという答えが返ってきた。

　「だから土日はペットショップでバイトさせてもらってるんす。あの子はその店にいた子なんす」

　意外かと問われれば、意外だと答えるけど、それは彼の外見しか知らなかった場合だ。

　少しやんちゃそうだと形容した容姿の世間的イメージからすると、トリマーになるのが夢だとはなかなか思いつかない。

　だけど……私はまだほんの少ししか知らないけど、彼の優しいところをちゃんと知っている。

　「全然意外じゃないし、向いてると思う」