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「俺、専門学校行ってるんす。周りは俺より年下ばっかだけど」
「へえ!何の専門学校?」
聞き返した私の横を中型の犬を連れた年配の男性がすれ違っていく。
その犬がすれ違いざまに彼を見上げ、ワンと一度だけ吠えた。それに対して彼は右手を上げ、「よお!」と答える。
犬と人で話す言葉は違っているけど、私にはそれがちゃんと成立した会話のように思えた。
その犬が少し遠ざかってから、彼がまた私の方を向く。
「あの子、子犬のときから知ってるんで」
「え?どういうこと?」
笑わないで下さいねという前置きがあって、彼から聞かされたのはペットショップでもバイトをしているという話だった。
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