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彼から一緒に帰ろうと誘われて、毎週会うようになって……期待は膨らむ一方だったけど、第一印象は正しかったのかもしれない。
『私とは人種が違う感じ』
夢に向かっていく彼の横を私は歩んで行けるだろうか。
引け目や羨望や嫉妬の感情を持つことなく、まっすぐに目を見れるだろうか。
……だめだな。どうしてこんなこと考えちゃうんだろう。
車道を挟んで反対側の歩道を高校生の男女が歩いていく。
私も高校生ならこのまま流れに乗ってしまうだろうなと思うと、少しうらやましい。
今なら戻れる。私はきっと、その防御線をもうすぐ越えてしまうから。
「さやかさん?」
「……うらやましいな」
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