明日、となりにいるのは。

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 あまり人通りがない道とはいえ、こんな歳になって転んだことが恥ずかしく、慌てて立ち上がろうとしたけど……  「いたっ」  足に力を入れたところで痛みが走る。  見てみるとタイツが破れ、膝には血がにじんでいた。  「あの、大丈夫ですか?」  後ろから急に声をかけられ慌てて振り返ると、帽子と同じ柄のつなぎを着た男の人が立っていた。  どうやらすぐ目の前のガソリンスタンドの店員さんのようだ。  「だ、大丈夫です。タイツは破れちゃったけど」  恥ずかしさからまっすぐに目を見ることができず、私はうつむき加減のまま何とか立ち上がった。  「ちょっと待ってて下さい。俺、絆創膏ないか見てくるんで」  「あ、ちょっとまっ──」  少し年下と思われる彼は私の返事も待たずに走っていく。  もうその優しさが嬉しいやら恥ずかしいやらでちょっと涙が出そうだ。
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