明日、となりにいるのは。

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　派手に転んだのは災難だったけど、転んだのが金曜で良かった。

　さすがに当日と土曜日はお風呂に入る時や着替えの時に「いたっ」と声をあげてしまっていたが、日曜ともなれば傷口はかなりふさがってきていた。

　おろしたてのタイツでその傷を覆い街へと出た私は、デパ地下のお菓子屋さんの前で足を止める。

　そこには袋の口を色とりどりのリボンで結んばれた小さな包みがいくつも並べられていた。

　『サンクスギフト特集』と書かれたポップの下には『ありがとうを伝えてみよう』という文字も添えられている。

　……ありがとう、か。

　そこで浮かぶのはやっぱり金曜日のこと。
　ガソリンスタンドの彼にお礼を言いそびれてしまったことがどうにも気がかりだった。