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「ありがとうございました!!」
元気のいい声で車を見送っているのはあの日とは別の人だ。ちなみに昨日も違った。
別の時間帯で勤務しているのか、月曜日と火曜日はお休みなのかわからない。
今日で丸二日バッグに入りっぱなしのクッキーの包みを見て、ふと賞味期限が心配になる。
まさか『シフト表見せて下さい』と言うわけにもいかないし、そもそも名前すら聞いていない。
しかし、ため息をついてから信号を渡ろうとした私の視界の端に走ってくる姿が映り、私は期待をこめてゆっくりと振り返った。
「あ、よかった。やっぱり金曜日のお姉さんだった。もう足は大丈夫ですか?」
雑巾を片手に持った彼はこの前と同じ人懐っこい笑みを浮かべていた。
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