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「もう大丈夫。あの時は本当にありがとうございました。それで、あの、これ」
さっき賞味期限を確認したおかげでバッグの一番上にあった包みを彼へと差し出す。
「え、こんなのもらっちゃっていいんですか?」
「つまらないものだけど、よかったら食べて下さい」
驚いた表情をしていた彼がまたにっこりと微笑む。
「俺、甘いもの好きなんで嬉しいっす」
少年のようなその無邪気な表情に私の心臓のリズムは少し早まる。
「それならよかった。お礼言いそびれたのが気になってて」
それじゃあ、と仕事中の彼の邪魔しないよう早めに話を切り上げて帰ろうとすると、何故か彼に引き止められた。
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