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「この後、何か予定あります?」
「ないけど?」
「じゃあ、ちょっとだけ待っててください。ダッシュで戻ってくるんで」
「え?あの?」
どういうことかと聞く前に行ってしまった彼は、数分後、宣言通りダッシュで戻ってきた。
戻ってきた彼は制服であるつなぎから私服へと着替えている。
ますます意味がわからない。
「お姉さんの家がどこかは知らないけど、方向はこっちですよね?俺んちもこっちなんで」
彼が指差した方向は確かに私の帰り道だったけど、色々と疑問が錯綜する。
「仕事は?なんで帰る方向知ってるの?」
ちょっと混乱気味の私を彼は笑う。さっきの少年のような表情ではなく、今度は大人な笑い方で。
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