23人が本棚に入れています
本棚に追加
その点において、
現実の世界との差異は生じる。
そんな当たり前のことだが、
それが顕著になってきたのはこの頃になってからだった。
獲物を取り合う必要がないので、
ここでは戦争も起きないし、
家も必要ないし、
だから国家も存在しなかった。
ただひたすら、
電子の波を彷徨う。
そんな気楽な生き物だ。
しばらくすると、
そんな余った時間からか、
「WHY」を考える個体が現れだした。
つまり、
物事に理由を問うようになったのだ。
「僕がコイツらを虐げる理由は?」「仲間じゃないから」「仲間を虐げない理由は?」「仲間に害はないから」
こういった具合だ。
最初のコメントを投稿しよう!