生命の起こり

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その点において、 現実の世界との差異は生じる。 そんな当たり前のことだが、 それが顕著になってきたのはこの頃になってからだった。 獲物を取り合う必要がないので、 ここでは戦争も起きないし、 家も必要ないし、 だから国家も存在しなかった。 ただひたすら、 電子の波を彷徨う。 そんな気楽な生き物だ。 しばらくすると、 そんな余った時間からか、 「WHY」を考える個体が現れだした。 つまり、 物事に理由を問うようになったのだ。 「僕がコイツらを虐げる理由は?」「仲間じゃないから」「仲間を虐げない理由は?」「仲間に害はないから」 こういった具合だ。
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