生命の起こり

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ただ、 これは無理もない話だ。 自分らが生きるその世界が、 ただのパソコンのフォルダの1つに過ぎないなんて、 どうして発想できようか。 彼らは、 彼らの次元の中でしか答えを出せない。 俺が住むこの世界は、 彼らとは違う次元に存在する。 俺は同情すると同時に、 こいつらの行く末を想像してみた。 しかし、 そこに明確な案が浮かぶことはなかった。 何のことはない。 俺も所詮は、 彼らとは違う次元に住む生き物なのだ。 飢えのない世界で進化を続け、 ついに神話にまで辿り着いたコイツらは、 この後どういう道を辿っていくのか。 俺は食い入る様に画面を見つめた。
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