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この現象を回避するために考え出されたのが、
「俺の言う神はあいつの言う神とは違う神だ。
だから話が食い違っても仕方がない」という言い訳だ。
これによって、
複数の「宗教」が誕生した。
LIFEたちは様々な宗派に分かれていった。
そうなると、
自分の神話を押し通したい個体による強引な神話が完成する。
「俺ノ 神ヲ 信ジナイ 者ハ 地獄ニ 行ク」
「他ノ 神ヲ 信ジル 者ヲ 殺セ」
この手の神話を作り、
圧力をかけるようになったのだ。
こうして、
ついにこの世界でも戦争が発生した。
俺は驚いた。
飢えという不幸がない世界でも、
こうして戦争が生じてしまったのだ。
飢え、
人種差別、
文明の差異、
宗教の違い、
領土、
資源、
そういった事情が複雑に絡み合うこの地球、
この星から戦争を根絶するなんて、
全くもって不可能なことに思えた。
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