ごめんなさい。と、ありがとう。

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「…寝ちゃったよ…。」 マスターは、やれやれと奥からひざ掛けを持ってきた。 「近くにもっといい人がいるんだから。 早く気が付くといいね。」 寝ている遥にそっと掛けた。 もう店を閉めようかという時に来客の音がした。 「まだいい?」 「王子様の登場だな。」 「何それ?」 ネクタイを緩めながらカウンターに腰をかけた。 「お姫様をどうしようかと思ってた。」 カウンターの奥を指差すとそこには遥が眠っていた。 「一ノ瀬さん!?」 「そうだよ。 彼氏と別れたみたいで荒れちゃってさ、可哀想に。」 いつものロックを目の前に置かれた。
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